トータルコストで考える

ポケットwifi導入のための初期費用は、端末をレンタルするにしろ中古で買うにしろ一方的な出費です。対して月額費用は通信費として経費計上できることからも何らかの見返りがあるわけです。娯楽かもしれませんし商取引の連絡かもしれません。娯楽を数字化することは難しいですが、その娯楽のための代替手段がない場合は相応の価値があると見てしかるべきです。通話用のガラケーは確保しつつVRゲームを楽しみたいなど考えられます。

また、ポケットwifiはそれだけではなんの意味もなく、ポケットwifiに接続する機器があってこそのものですから、その可用性にも考慮しなければなりません。携帯ゲーム機や携帯音楽プレーヤー、デジタルカメラ、タブレットなど多種多様な製品がwifiで繋がります。

例えば一日の70%を職場や自宅など無線LAN環境下で過ごしているならばポケットwifiは副次的な使い方しかしないため最低料金で「寝かせて」置けばいいという考え方もあります。緊急時の通信手段を確保するのに普段使っているスマートフォンのキャリア以外と契約するのも同じことです。ポケットwifi、テザリングはメインで使うにはコストパフォーマンスが悪いので、すべての通信手段のトータルの中でどういう位置を占めるのか明確化しておくことはとても重要です。

月額費用について

一時的にプリペイドSIMで運用して、あとはモバイルバッテリーとして使用するといった使い方でもない限り毎月の費用は発生します。少ない転送量上限で契約した場合、月額料金は安いですが、上限に達した後は遅いスピードでしかデータ通信ができませんから、その月の残りは不便を強いられることになります。

逆に多めの転送量上限で契約して上限に達しないこともありえます。契約によっては残った転送量を翌月に持ち越せることもありますので、余裕を持って選ぶといいでしょう。自分が月にどれくらいのデータ量を使用したかは請求明細や契約した通信業者のWebサイトなどで見ることができますからこまめに契約を見直すことが節約につながります。また、データSIMの場合は解約違約金がない契約形態が多いので業者を変更することも簡単です。

MVNOといっても様々ですから、転送量に上限、料金、翌月持ち越しの有無の他にも、系列会社の光回線契約との抱き合わせ割引や、端末のレンタルなどのサービスを提供している業者もあります。スマートフォンと違って頻繁に買い換えることはありませんから、長期契約の割引や転送量の柔軟な変更が可能かどうかを中心に検討するほうがいいでしょう。

初期費用について

ポケットwifiを使い始めるにあたって、さしあたって一番大きいのは端末の購入費用です。通販サイトで検索すると実に多くの機種がヒットします。一体何を買えばいいのやら。ルーターですから基本的な機能はみな同じです。信頼性についてはレビューや比較サイトなどから判断するとして、付加機能が必要かどうかを見ていく必要があります。

モバイルバッテリーとして機能するものやタッチパネルで操作するものもあります。ひとつ気をつける必要があるのはLANケーブルを繋いで無線LANの親機として機能するものです。現在発売されているスマートフォンやパソコンはほとんど「IEEE802.11ac」(以下11ac)という高速通信規格に対応していますが、この11acは屋外での使用が電波法で禁じられているためポケットwifiは11acに対応していないケースが多いのです。固定回線をギガプランで契約していても11acは使えません。インターネットの実効速度という面から見ると11acの恩恵はあまりないのが現状ですが、LAN内のファイルサーバーにアクセスする場合などは考える必要があります。

ポケットwifiはSIMを差して使いますが。どのSIMを使うかも検討する必要があります。例えば引っ越し直後で固定回線がまだ通ってないときや屋外イベントで使うなど期間限定で転送量が多い場合は契約した総転送量を使い切るまで転送量規制のないプリペイドSIMが向いています。

ガラケーとタブレット2台持ちなどの場合はスマートフォン単体のテザリングと使い方自体に変わりはありませんから、通常のデータSIMを使います。家族や会社でのパケット融通でトータルで安くなるのだったらキャリア契約でもいいですが、料金プランが細かく分かれていて自分の用途に近いものを選びやすいMVNOのSIMを使うことが一般的です。MVNOのSIMですと端末にSIMを差すだけですが、キャリアとの契約だと事務手続の手数料も払う必要があります。

ポケットwifiの導入・運用費用計算方法

ポケットwifi、いわゆるモバイルルーターに興味はあるのだが本当にお得なのか疑問に思うことがあります。お得かどうかは計算してみなければわかりません。計算に使う数字は人によって違いますがポイントを押さえておきましょう。

ポケットwifiに限らず新しいサービスを使い始めると、その導入にかかる初期費用が最初に一回だけかかります。端末を買ったり新規に契約するときに払う事務処理費などです。そして運用を始めると毎月使用量が発生します。初期費用と運用費用、このふたつについてお得かどうか判断するわけです。

お得かどうかを判断するには、まず使用シーンを想定してみます。ポケットwifiはテザリング専用ですので、そもそも使うケースはテザリングに「スマートフォンを使いたくない」かスマートフォンを使えない」ケースが大部分です。「スマートフォンを使いたくない」というのは、テザリングを長時間、あるいは転送量が大きい場合が考えられます。長時間使用して電池切れで電話ができないとなったら本末転倒ですし、スマートフォンの料金プランはテザリングで使用すると簡単に転送量上限に達してしまいます。「スマートフォンを使えない」というのは、ガラケーとタブレットの2台持ちの場合などです。使用シーンというと、持ち歩きと考えがちですが、ポケットwifi自体はサイズ的にマッチ箱から煙草の箱程度ですから携帯できるかできないかを悩む必要はありません。むしろ紛失対策を考えるべきです。

次に想定したシーンでの費用を洗い出します。キャリアと契約するかMVNOのSIMでいくのか、端末はどこから何を買うかを調査します。ネットに情報はたくさんありますので苦労はしないでしょう。お買物前のウキウキ感でテンションが上がるかもしれません。端末と料金プランを数通りピックアップしておきます。

最後に「損益分岐点」をはっきりさせておきます。月にどれぐらいの通信費ならば大丈夫なのか、端末代はいくらなら出せるかはネットで情報を集めている時点で頭にあるでしょう。ここでは「ポケットwifiを契約しない」場合の料金を計算しておきます。対照実験みたいなものですが、ポケットwifiを契約しない場合に出る不都合など数字にはでてこない面も押さえておきましょう。

さあ、情報はそろいました。あとはお得かどうか天秤にかけるだけです。賢明な判断で快適なポケットwifiライフを。